世間では、「既卒になると就活はかなり厳しくなる」「新卒カードを失ったら終わり」などという言葉をよく耳にします。

そういった言葉を聞いていた私も、大学院在学中に既卒就活を始めると決めたときには、かなり不安が大きかったです。

ただ、実際に就活をしてみると、想像していたほどは苦労しませんでした。

修士1年の夏から就活を始め、応募したのは2社。1社目は二次面接で落ちましたが、今振り返れば完全に対策不足だったので、落ちて当然だったと思います。その後、2社目で内定をいただき、サクっと就活を終わらせました。

大学院在学中、M1の間に内定を得て中退した私の既卒就活・中退までの体験談

当時の私は、「絶対にこの仕事がしたい」という状態ではありませんでした。

体力がないので、ドライバーや引っ越し業者、立ち仕事中心の接客業などは避けていましたが、それ以外はかなり幅広く求人を見ていました。どちらかといえば頭を使う仕事のほうが得意だったので、その方向を中心に見ていたくらいです。

そんな自分の就活について、ブログでいろいろと解説をしてきたものの、「なんかすんなりうまくいったな」といった感覚を言語化できずにいました。

ところが、最近、秋葉洋さんの『既卒・フリーターの就職 一発逆転の法則【電子書籍】[ 秋庭洋 ]』を読んで、「なぜ自分は既卒就活で比較的苦労しなかったのか」といった点が明らかになったのです。

今回は、この本を読んでわかった「私が既卒就活で苦労しなかった理由」について書いてみます。既卒就活に悩みを抱えている方の参考になれば幸いです。

ストリート・スマートとアカデミック・スマート

この本では、私たち既卒就活生は「ストリート・スマート」を目指すように書かれています。

ストリート・スマートとは、実社会の中で、学生時代の学業成績とは反比例し、バリバリ活躍する人のことを指し、対となる言葉として、アカデミック・スマート(学業優秀で有名校を卒業し、実社会でその経歴に見劣りしない活躍をする人たち)があります。

既卒就活をする人がアカデミック・スマートを目指してしまうと、これまでの就活の失敗や、学業での失敗を思い出し、「もう私はだめだ・・・」という無力感にさいなまれてしまうので、既卒就活者はストリート・スマートを目指すべきなのです。

仮に、アカデミック・スマートの素質を持っている人であっても、両方を兼ね備えたハイブリッド・スマートを目指すことで、就活に対する成功イメージを持つことができるようになります。

ここから先は、これらの用語の理解を前提に、私が既卒就活であまり苦労しなかった理由を振り返っていきます。

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私が既卒就活で苦労しなかった理由①業界・職種にこだわらなかった

この本では、スマート・ストリートの特徴として、「職種や業界にこだわりすぎない」ことが挙げられていました。

この部分を読んで、「確かに当時の私はまさにこだわりを持っていなかったな」ということを思い出しました。

既卒就活をしていた頃の私は、「絶対にこの仕事がしたい」という状態ではありませんでした。ただ、「明らかに続かないであろう向いていない仕事」だけは外していましたが。たとえば、私は体力にとても自信がないので、

・ドライバー
・引っ越し業者
・夜勤前提の介護職
・立ち仕事中心の接客業

などは、かなり早い段階で候補からは外していましたね。逆に、頭を使う仕事には抵抗がなかったので、いわゆるホワイトカラー職種に絞って幅広く求人を見ていました。

さらに、求人を見る際のポイントとしては、

・研修があるか
・最低限の興味を持てる業界か

程度のものだったと思います。

今振り返ると、私は「天職探し」はせず、「まず社会に出ること」を優先していたのだと思います。

既卒就活をしていると「やりたいことを明確にしないといけないんだ」と感じる場面も多いかと思います。ただ、この本を読んで、まず社会の中に入り、その中で経験を積みながら自分なりの方向性を作り上げていく、という考え方でいいのだと感じることができました。

そして、当時の私は無意識にそういう方向に行動をしていたのだと思います。

余談ですが、私は、これまでインターネット上で相談に乗ってきた方に対しても、「こだわりがあるなら既卒就活はお勧めできません」と返答をしてきました。あくまで、自分の考えを基にした返答でしたが、この本を読んで、この返答で正解だったな、と思っています。

私が既卒就活で苦労しなかった理由②働くことに前向きだった

この本では徹底して、「働きたくもないのに就活をするな」というスタンスがとられています。私はかなり衝撃を受けるとともに、おっしゃる通りだなと感銘を受けました。

そして、この部分が私が既卒就活に苦労しなかった理由の2つ目だと考えています。というのも、就活をしていた時の私は、不安こそあったものの「働きたくない」とは思っておらず、なんなら「早く働きたい」とすら思っていたからです。

就活を始める前の私は研究室に通うことも難しく、ただただ毎日1日が終わるのを待つような生活でした。この「停止している状態」が続く日々は、本当につらく、苦しかったんですよね。

M1で既卒就活をするというのは、世間から見ればイレギュラーで、ネガティブに捉えられかねない行動です。就活を始めるときは当たり前に不安を感じていましたが、それ以上に「何もできない私はこの社会に必要とされていないのではないか」と思うことがキツかった、というわけです。

だから当時の私は、「どんな仕事が理想か」というよりも、「私が社会にでるためにはどうしたらいいか」ということをよく考えていたのだと思います。

この本では、一貫して動きながら状況を変えていくことが是とされているように感じています。今振り返れば、私はそのタイプだったから、苦労しなかったのかも。

私が既卒就活で苦労しなかった理由③適性を深追いしなかった

もう1つ、この本で印象に残っている文章が、「ストリート・スマートは適正なんかこだわらない」というものです。加えて、「適性はこれから自分で開発していけばいい」という主旨の文章は今の私にとっても衝撃的な言葉でした。

既卒就活当時の私には、さすがに「自分には何が向いているんだろう」と考える瞬間はありました。ただ、「向いている仕事を見つけてから動こう」と思うことはなかったです。今の状況から一刻も早く逃げ出したかったので。

そのため、私はかなり幅広い求人を見ていましたし、「とりあえず受けてみるか」という気持ちのほうが強かったように思います。

そして、実際に働き始めてからようやく、自分がどんな働き方を好むのか、どんな人間関係が合うのか、どんな能力を伸ばしたいと思うのか、が明らかになってきたのです。

既卒就活に限った話ではありませんが、学生が就活をするうえで「自分に向いている仕事を見つけなければ」という焦りは捨ててしまっていいのではないでしょうか。

冒頭に書いた通り、最低限「イヤな仕事」は避けたほうがいいと思いますが、「天職選び」を意識しすぎる必要は全くありません。最初から完璧な適職を見つけることよりも、社会で動き始めた後に見つかるものがたくさんあるからです。

既卒就活に悩んでいる方へ

既卒就活は仲間が少なく、1人で戦うことが多いからこそ、

・やりたいことを見極めなければ
・適性を理解しなければ
・新卒でうまくいかなかった自分は落ちこぼれだ

などと自分を追い詰めてしまうことが多々あると思います。私も不安がなかったわけではありませんし。

ただ、この本を読んでから振り返ってみると、私の既卒就活は

・働くことには前向きで
・職種や業界を絞りすぎず
・適性を深追いしすぎない

すなわち、「まず社会の一員になる」という方向に自然と意識が向いていたのだと思います。逆に、この視点に欠けている人は、今既卒就活をしてもうまくいかないと思います。まずは自分が働きたいのかどうか、見つめるところから始めましょう。

また、最初から完璧な答えを持っていなければならないと思い込みすぎると、逆に動けなくなってしまうことがあります。だからこそ、この本の「スマート・ストリート」がとるべき指針は、既卒就活で不安を抱えている人にとってかなり参考になるものだと思います。