私は、大学院での研究がうまくいかず、中退を考える中で、なんとか就職先を得ようと国家一般職(技術系)と、県職員を受験しました。

結果はどちらも一次試験で不合格となりました。

これだけ聞くと、「やっぱり大学院を中退することは、公務員試験で不利なのでは?」と思われる方がいると思いますが、私の実感としては中退そのものよりも試験勉強の準備不足がはるかに大きな不合格の要因でした。

なぜなら、私の友人は大学院を中退する前提で公務員試験を受け、実際に合格を得ているからです。

この記事では、実際に受験して一次試験で落ちた経験をもとに、

・大学院中退は公務員試験において不利なのか
・一次試験で落ちた原因は何だったのか
・公務員試験受験のために必要な覚悟

を整理して紹介します。

受験した区分と当時の状況

私が受験したのは、国家一般職と、県職員です。いずれも、自分の大学の専攻と近い分野を受験しました。

国家一般は5月末、県職員は6月下旬に一次試験があったと記憶しています。試験内容は、おおまかに以下の内容でした。

・教養に関する多肢選択式
・専門分野の多肢選択式
・論述試験

教養というのは、いわゆる数的処理、言語処理、社会科学…といったいわゆる公務員試験で課される内容でした。専門は、その専門分野に関する基礎~応用の知識が扱われています。

落ちた私が言えることではないのですが、いずれもきちんと対策していれば、点数が取れる試験だったなと感じています。

当時の私は、大学院を中退するかどうか、そこを迷いながら動いている状態で、民間の就活も視野に入れていました。すなわち、公務員一本で頑張るぞ!と腹をくくっていたわけではなく、

・受かれば逃げ道ができる
・無料の試験だしとりあえず受けてみるか

という、本当に安易な気持ちで申し込んでいました。今振り返れば、この時点での公務員試験に対する本気度は、受験生の中でも最低レベルだったでしょう。

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勉強期間と準備内容

本格的に対策を始めたのは3月頃でした。試験が5~6月だったので、準備期間は2~3か月です。結論からいえば、センスがある人なら十分な対策期間でしたが、「志望度が低い」かつ「センスがない」私には不十分な勉強期間でした。

私がやったこととしては、数的処理の問題集をざっと解く、そのほかの教養科目の問題集を眺めてみる、その程度でした。学校にも通っており、研究やゼミがあったので、時間としても空き時間にやる、くらいの意識でしたね。

専門科目については「大学で得た知識でなんとかなるだろう」と甘く見ており、ほとんど対策らしい対策をしていませんでした。

私が数的処理だけ問題集を解いていたのは、少なくとも教養科目の中では最も苦手な分野だと感じていたからです。数的処理は、算数や数学というよりも、数的処理独特の「パズル的な問題」が多く存在します。

つまり、テクニックがあればなんてことはない問題なのですが、受験勉強で培ったゴリゴリ根性で解く!みたいな姿勢だと、解けはするものの時間がかかりすぎてしまう、そんな問題です。

私は解き方を覚える時間が十分に取れなかったので、理系出身であるにもかかわらず、解くスピードが上がらないまま本番を迎えることになりました。

一方で、一緒に受験した夫や友人は数的処理にはほとんど苦労していない様子でした。そのときに話をして感じた違いは、「中学受験の経験の有無」。中学受験をしている2人は、数的処理の独特の問題は中学受験対策である程度テクニックを身に着けていたようで、感覚的にテクニックを使って解ける、とのことでした。結果として二人とも、一次試験は通過。

ここで得られた気づきとしては、公務員試験は「地頭ではなく慣れ」がものをいう試験だということです。世間における公務員試験の対策予備校の需要を理解できた気がしました。

なぜ私が一次試験に落ちたか

最初に述べた通り、私はいずれの試験も一次試験で不合格になりました。ここまで読んできた方なら、原因はもうお分かりですよね。

大学院中退がどうこう、という話以前に、単純に準備不足でした。

数的処理の差は想像以上に大きい

教養科目で差を感じたのは数的処理です。公務員試験の教養科目において、苦手な人が多いといわれる数的処理は、得点差がつきやすい。ここを安定して得点できるかどうかが、合否に大きくかかわるといっても過言ではないと思います。

私はセンスも慣れもない中、問題集を軽く解いただけで、本番レベルに必要な演習量には全く届いていませんでした。解放パターンの蓄積も不足しているので、時間内に解き切るのもやっとです。

一方で、中学受験を経験している人にとってはそれほどハードルが高くないようで、対策をしなくても、持ち前の能力で戦えるようです。

まずはその形式に慣れているかどうか、そして慣れていないなら十分な演習量を確保しているかどうか、これらの影響が大きいと感じました。

専門科目を甘く見ていた

前述のとおり、専門科目の対策もほとんどせずに臨んだわけですが、当たり前に専門科目の対策も必要です。

きっぱり、問題レベルとしてはものすごく高いわけではないと思います(落ちたのに…)。私が見誤っていたのは、

・自分の知識の劣化
・出題傾向の把握

この2点です。どの専門を選ぶかにもよりますが、電気、化学、衛生、建築…どれも大学で何年もかけて学んできた内容で戦う必要があります。

大学の試験をおろそかにしていたつもりはないのですが、ぶっちゃけ研究室の専攻から離れた科目とか、めっっっっちゃ忘れています。問題文を見て、「ああ、あの話ね」とは思うものの、「うーん、こっちだったっけ?いや、こっちかも…」みたいな無意味なループに入るし、解けない。

過去問等の情報収集を行い、適切な復習と対策が必要だったのだなと思います。

一番の問題は「腹をくくれていなかったこと」

学力もさることながら、公務員試験を受けるにあたって、覚悟がちゃんとできていなかったことも大きな問題だったなと思います。

当時は、「受かったとして大学院を本当にやめていいのか?」という中途半端な気持ちを抱えたまま過ごしていました。

中途半端な気持ちのまま、「受かればラッキー」で受かる人は、相当公務員試験が得意な人だけで、一般的な学力・能力の人であればまず通りません。

私も例外ではなく、特別な資質・能力があるわけでもないのに本気で対策しなかったから落ちた、それだけのことです。

公務員試験は受験料こそ無料ですが、準備にかかる時間は少なくありません。私のような低レベルな対策ですら、余暇を削って勉強をしていたわけなので、40時間くらいは少なくとも費やしていたのではないでしょうか。ぜ~~~~んぶ無駄です。安易な気持ちで受けるのはお勧めできません。

公務員試験で大学院中退は不利なのか?

結論から言えば、少なくとも私とその周囲のケースでは、ほとんどハンデになっていなかったと感じています。

また、民間就職も経験した立場から言うと、民間就職よりも公務員試験のほうが「大学院中退」が及ぼす影響は小さいです。

筆記試験の段階では全く関係ない

国家公務員も、都道府県職員も、一次試験は学力に関する筆記試験が中心です。

合否は完全に得点だけで判断されます。大学院を中退予定であっても、受験資格を満たしていれば出願可能ですし、受験資格を満たしていれば、必ず受験票が届きます。

繰り返しになりますが、私が一次試験で落ちた理由は、中退が関係したのではなく、単純に得点が足りなかったからです。

面接においても、民間より気にされない

当然、「筆記は関係なくても、面接は不利になるのでは?」と心配になりますよね。ここで、公務員試験の特殊な性質について考えてみましょう。

公務員試験は民間の就活と異なり、「公務員浪人」が珍しくない世界です。つまり、

・既卒での受験
・数年勉強して再挑戦
・民間経験を経て受験

こういったストレートではない受験生が多数います。つまり、受験者の経歴も多種多様です。その中で、「大学院を中退するかも」という話は極端に異質なものではありません。

なんなら、「公務員浪人を決めたが履歴書のブランクを作らないために大学院に進学する」なんて人もザラにいます。公務員の世界ではよくある話です。

実際、私の友人は国家公務員に合格し、大学院を中退しました。その友人は面接試験で中退に触れられましたが、「あなたのようにコミュニケーション能力がある人は、理系の研究者との間で苦労が多そうだね」と同情されただけで終わったとのことでした。

少なくとも「それだけで不合格になるような致命的な材料」ではないことは確かです。

本当に問われているものは何か

結局のところ、公務員試験で問われているのは、

・筆記で安定して得点できるよう地道な努力を継続できるか
・志望動機に整合性があるか

といった点ではないかなと感じています。

経歴云々よりも、試験に対してどれだけの準備をどのように行ったのか、そちらのほうがはるかに重要です。