働きながらキャリアコンサルタント試験に1発合格|勉強時間82時間・費用35万円の内訳
国家資格キャリアコンサルタント試験の結果まとめ
第31回国家資格キャリアコンサルタント試験に1発合格しました。
私の国家試験の結果は以下の通りです。
| 学科 | 84点 |
|---|---|
| 論述 | 31点(A評価) |
| 面接 | 62点(態度、展開、自己評価はいずれもA評価) |
勉強期間は約6か月。勉強にかかった時間は記録している分だけで81時間47分でした。
また、養成講座、自費で購入した教材等、合格までにかかった費用は約36万円です(専門実践教育訓練給付金による還付を考慮していない金額)。
養成講座を除いたロープレ練習の回数は合計20回。その内訳は以下の通りです。
・養成講座の仲間とのロープレ:12回
・有資格者からの指導:8回
論述試験の添削は1回のみ受講しました。
養成講座が9~12月、試験は3月に実施のスケジュールの私の学習記録はこんな感じです(養成講座の時間は除外。記録漏れもいくらかあります)。
この記事では、キャリコン合格までに
・実際にかかった費用の内訳
・勉強時間の内訳
・使用教材
・学科、論述、ロープレ対策の内容
・やってよかったこと
・今なら違う方法をとるかもと思うこと
などを解説していきます。これから受験される方の参考になれば幸いです。
キャリコンを取ろうと思った理由
自分の過去の経験を昇華したかった
私はもともと、大学院を中退する前提で既卒就活をした、というイレギュラーな就活経験をもつ人間です。その際には、
・自分に向いている仕事とは?
・キャリアはどう選べばいいんだろう?
とかなり悩みました。現時点では、後悔のない就職はできたと思っているのですが、同じような経験をしないためには、今後どうしていくべきなのかを見定めるために、自身の過去の経験を整理したいと思っていました。
情報発信をより正確に行うため
一方で、その経験をもとにキャリアに関するブログを書いてきたわけですが、発信を続ける中で、自分の経験だけで話をしていいのだろうか、という感覚も漠然と感じるようになりました。
もちろん、実体験は実体験で価値があると思うのですが、人のキャリアや進路に影響を与える情報を発信する以上、体系的な知識も必要なのでは?と感じるようになったわけです。
本職での立場の変化のため
さらに、本職での自分の立場が上がっていくにつれ、
・人材育成
・部下のモチベーション維持
・自身のキャリア形成
といったテーマから避けられなくなってきました。
こちらについても、自分の経験談だけで指導をすることに不安を覚え、体系的な知識をもとに指導できるようになりたいと思ったことが受講のきっかけの1つです。
将来の独立に向けて
会社員にはある程度の適性があるとは感じつつも、将来的に会社に属さず個人事業主として働くことにもチャレンジしてみたいという願望があります。キャリアコンサルタントとして独立をしたいと思ったわけではないですが、
・社会に存在する仕事に関する知識
・キャリアを取り巻く法律や制度
・キャリア形成にかかわる知識
・面談のスキル
といった領域を学ぶことは、どんなフィールドでも活かせるのではないかと思い、受験のきっかけとなりました。
受講した養成講座について
私が受講したのは、地域連携プラットフォームの養成講座です。
週3日、夜2時間の講義を約3か月間受講しました。平日夜に、完全オンラインで受講できたのは、社会人にとって相当助かりました。
また、回数制限はあるものの、振替受講できるのも社会人にはありがたかったです。
ほとんど毎回の授業でロープレの時間があったため、ロープレに慣れておくという意味ではかなり役立ったと思います。一方で、学科の試験対策という意味では使いにくい部分もありました。
というのも、テキストが学科試験と実技対策とで分離しておらず、混在したものになっているからです。キャリアコンサルタントの養成という目的に沿ったつくりになっているがゆえに、試験対策としては使いにくい、といった印象を受けました。
また、完全オンラインが便利だった一方で、対面ならではのロープレの空気感や、非言語のやりとりに関する経験は不足しやすいと感じました。私は結局、試験本番が初めての対面ロープレになったので、完全オンライン形式のデメリットを強く感じましたね。
試験対策に割いた勉強時間
勉強期間は、養成講座を受け始めてから試験までのおよそ6か月間。スタディプラスに記録していた勉強時間は合計81時間47分でした。
ただ、この記録には養成講座の授業の時間、隙間時間を使った学習、ロープレ練習等を含んでいません。これらを全部合わせれば、150時間くらいにはなるのではないでしょうか。
とへいえ、キャリコンの合格までに必要な時間の目安として、ネット上では250時間あたりが示されていることが多いので、それに比べればかなり少なく済みました。
学習内容の内訳は以下の通りです(再掲)。
前半は学科の知識のインプットを中心に行い、後半は学科の過去問演習、実技対策の比率を増やした感じです。
ここに記録しているロープレ対策は、ロープレに関する知識・技能の習得、逐語録の作成、ChatGPTを使った練習で、対人ロープレは別で行っています。
論述対策はまとまった時間が必要だったので、休日に取り組むことが多かったです。
過去問対策はみん合の原田先生の教えに倣い、横解きをベースに行っていたので、1回あたりの負担はかなり少なく、平日夜にも取り組みやすかったですね。
さらに、学科対策については、過去問で間違った問題や、問題集の内容を単語帳アプリに落として反復演習をしました。これは移動時間の学習のしやすさにつながったので、後悔はないのですが、作成自体にかなり時間がかかるので、試験直前期に対策を始める方にはおすすめしません。
実際にかかった費用
今回のキャリアコンサルタント試験の対策にかかった費用をまとめると、以下のようになりました。
| 養成講座 | 297,000円 |
|---|---|
| 学科問題集 | 3,300円 |
| 論述問題集 | 1,980円 |
| 論述・面接対策参考書 | 825円(古本屋で購入) |
| みん合プラス会員 | 7,000円 |
| 有資格者からの指導 | 29,000円 |
| ChatGPT Plus | 24,508円(6か月分) |
| 合計 | 363,613円 |
※養成講座の費用については、専門実践教育訓練給付金を利用しており、7~8割が還付されるため、自己負担額はここから23万円近く下がり、15万円弱になる見込みです。
私は実務経験がないため、養成講座を受講しなければ国家試験の受験資格が得られず、養成講座の費用は避けられないコストでした。一方で、養成講座の費用を除いた試験対策用の費用は7万円弱に抑えられており、それほど大きな負担ではなかったです。
7万円弱のうち半分以上を占めたのは、実技対策です。有資格者とのロープレ、論述対策、ChatGPTの費用は高くつきましたが、結果的にこれらのおかげで合格したと言っても過言ではないので、全く後悔はありません。
使った教材・サービス
実際に使った教材、サービスについて紹介します。教材については、「いろんなものを買うより、同じ教材を繰り返すほうが有効」の宗教なので、とにかく同じものを繰り返し使いました。
結果的に、間違っていなかったと感じています。
みん合キャリアコンサルタント学科試験テキスト&一問一答
キャリコン受験者ならおなじみのキャリア教科書 国家資格キャリアコンサルタント学科試験 テキスト&一問一答 第4版 (EXAMPRESS) [ 原田 政樹 ]で学科対策をしました。
先に述べた通り、養成講座のテキストは学科対策には不向きと感じたため、養成講座が始まってすぐにこちらのテキストを購入して取り組み始めました。学習は以下の流れで行っています。
最初の1週間:テキストをざっと1周
次の1か月間:1周目よりも丁寧に確認
残りの期間:隙間時間に単語帳で反復→間違えたところは参考書を確認
私は早い時期から対策を始めていたため、本に記載されている一問一答をすべて単語帳アプリに落とし込み、隙間時間に勉強していましたが、作成に時間がかかるため、全員にお勧めできる方法ではありません。もともと、書籍購入者にはウェブブラウザで利用できる一問一答の問題があるのでその利用をお勧めします(私は問題数を稼ぎたくて前述の方法をとりました)。
学科の過去問
みん合本を使いつつ、並行して過去問演習も行いました。
わたしが解いたのは、国キャリの過去4回分と、2級技能士の過去4回分の計8回分です。みん合原田先生の指導にあわせ、序盤は「理論家だけ」「法規だけ」といったように、分野別で横断して解く「横解き」を2周しました。
横解きは時間がかからないので、社会人が平日の夜に取り組むのにも向いています。後半はその1回1回を通して解くことも行いました。
なお、過去3回分は公式HPからダウンロードできます。私は学習を進めてすぐに国キャリ27、28、29回の試験をDL、その後30回の試験が実施された後に30回をDLすることで、4回分の過去問を入手しました。受験者の方は、すぐにでも今DLできるものをしておくべきです。
国家資格キャリアコンサルタント実技試験(面接・論述)実践テキスト
地域連携プラットフォームの代表でもある柴田先生の国家資格キャリアコンサルタント 実技試験(面接・論述) 実践テキスト 2026年版 [ 柴田郁夫 ]を実技対策を本格化する前に一読しました。というのも実技試験の対策方法について皆目見当がつかなかったためです。
こちらの本は実技対策を始める前に一読→対策中に行き詰ったときにヒントを得るために読む
というような使い方をしていました。なお、こちらの本は古本屋で見つけたものを購入しました。
国家資格キャリアコンサルタント論述試験にサクっと合格する本
続いて、論述対策用の問題集は協議会試験版 国家資格キャリアコンサルタント 論述試験にサクッと合格する本 [ 津田 裕子 ]を利用しました。
この本には全部で10回以上の題材が載っていますが、すべて解き切りました。自分で解く→解説を読んで自分で添削するという使い方です。
本来はこの本も2周したかったのですが、時間の都合上それはかないませんでした。もともと論述にはけっこう自信があり、1周目時点であまり的外れな回答をしていないと判断したのも2周目をしなかった理由の1つではありますが。
みん合プラス
キャリコン受験生の多くがお世話になる、「みんなで合格☆キャリアコンサルタント試験」の有料会員であるみん合プラスは、情報収集や問題演習用に利用していました。
特にお世話になったのは、楽習動画シリーズです。特に国の最新の資料を確認しないといけない分野は、とてもじゃないですが自分で読み解くことが困難だったので、重要事項が整理してある動画・ノートが大活躍でした。赤字のON/OFF機能がある点もありがたかったです。
仲間内・有資格者ロープレ・論述添削
ロープレ対策は主に講座の仲間内での練習を行っていました。ロープレに慣れる、数をこなす、自分の課題克服の場にする、という目的では非常に有効でした。
しかしながら、「素人同士のフィードバックはあいまいになる」「互いに遠慮が発生する」といったデメリットも感じていたので、有資格者からの指導を受けることにしました。
有資格者からは、
・課題解決に急ぎすぎている
・クライエントよりも先に情報を整理している
・ラポール形成が弱い
といった、それまでの練習で知らなかった自分の課題を指摘してもらえました。
最終的に、仲間との練習は12回、有資格者との練習は8回、計20回のロープレ練習を行いました。
有資格者からフィードバック→対策を考える→養成講座の仲間との練習の場でアウトプット→有資格者からフィードバック……といった流れで訓練することで、徐々に改善していった……部分もあるにはあるのですが、実際のところは試験1週間前までかなり迷子でした。ラスト1週間でブレイクスルーが起きたのですが、このあたりは別記事で解説予定です。
論述についても、過去問には取り組んでいます。そのうち1回分は有資格者の方の添削指導を受けました。この時の指導でも、よくかけていると評価いただいたので、2回目を受けませんでした。ただ、本番の試験はけっこうギリギリだったので、過信しすぎていたかもなと反省です。
ChatGPTの利用
有資格者とのロープレ、仲間内でのロープレ練習をする一方で、隙間時間を使ってChatGPTとの訓練もしていました。
電車の中や休憩中にも練習ができるので非常に良かったです。もちろん、ChatGPTにクライエント役を作りこんでもらう必要があるので、プロンプトはある程度作りこむ必要はあります。
私は有資格者あるいは仲間内でやったロープレのクライエント役の情報を与え、できなかった部分を復習するためにChatGPTを使って再度ロープレをしてみる、という使い方をしていました。これは自分の欠点を修正するのに役立ったと思います。
やってよかったこと/やればよかったこと
有資格者の指導を受けてよかった
前述しましたが、仲間内でのロープレはどうしても具体的な指導が欠けてしまうことが多いので、有資格者の指導は受けてよかったです。
ただ、有資格者からの指導を受けて落ち込みすぎてしまうこともあったので、仲間内でのロープレで元気を取り戻す、なんてこともありました。さらに、有資格者からの指摘を修正できているかの確認として仲間内でのロープレが活用できたので、仲間内でのロープレが不要だったとは思いません。
ロープレの軌道修正が不十分だった
有資格者の指導により、軌道修正をする方向は明らかになり、仲間内でのロープレで修正をしていました。ただ、有資格者のロープレと仲間内でのロープレの間に、軌道修正をしたのは頭の中でのイメージだけで、逐語録を作ったり、具体的にどう質問したらいいのか、といったところをしっかり煮詰めないまま仲間内のロープレに臨んでいたことのほうが多かったです。
ここは対策が不十分だったと感じています。私は比較的回数を多くこなしたので、なんとかなった面があったと思いますが、上述の対策をしていればもう少し短期間で改善されたのでは、と感じています。
・どこでクライエントを置いてけぼりにしたか
・なぜ自分がその質問をしたのか
・なぜその思い込みをしてしまったのか
このあたりをしっかり掘り下げておくべきでした。
ラポール形成の部分だけを繰り返す練習
ロープレの試験は15分間です。この15分間で私が最も課題としいたのが冒頭のラポール形成でした。
15分のロープレを繰り返し練習するのは、時間が限られる社会人にはなかなか大きな負担となります。そこで、私は冒頭の5分間だけを繰り返しいろんなパターンで練習させてもらう、といった対策をしました。
あくまで私の課題に対する解決策ですが、これがラスト1週間のブレイクスルーに効いたなと感じています。
論述添削はもう1回受けてもよかったかも
もともと文章を書くことが得意だったこと、1度受けた添削で高評価をいただいていたこともあり、2回目の指導を受けませんでした。
ただ、本番は31点とA評価ではあるもののギリギリで、書き方のクセや要約の精度について、もう少し分析するために指導を受けていてもよかったのかもな、と感じています。
心理学を知らなくてもなんとかなる
私は高校時代に倫理を履修したきり、心理学にはほとんど触れずに来ました。ただ、学科については
・過去問の反復
・横解き
・隙間時間でのアウトプット
で十分対応可能でした。一方で、対人支援経験がなかった私にとっては、ロープレに最後まで苦労させられました。今でもまだ自信がついたわけではありません。
これから受験する方へ
学科試験については、過去問の反復、問題集を使ったアウトプットさえこなしていれば、十分対応できる試験だと感じています。
一方で、実技はかなり奥が深いです。自分の思考のクセをしっかり理解し、それを使いこなせるように工夫をしていかないといけません。単純に回数をこなすだけでは改善されないため、適切な指導を受ける、あるいはしっかり自分で振り返る、といったことが重要になってきます。
そういったことを踏まえて、ご自身にあった対策法を導き出してほしいです。
最後に、キャリコン資格の勉強を通じて、仕事上明らかに変わったこととして、「一方的にしゃべるだけの面談ではなくなった」ということに触れておきます。
指導を受けていた先生から、「最終的にクライエントは納得しなければ実行しない。クライエントが自分で解決策を導き出し、納得することが重要」という言葉をいただきました。当たり前に感じますが、私にとっては本当に目からうろこで、「指導をしたのに行動に移さないのはなぜ?」とイライラしていた過去の自分を反省しました。
この言葉をいつも頭に入れて面談に臨むようになった結果、面談が互いにとってより満足度の高いものになったのではないかな、と感じ始めています。
資格をとったから、何か生活が劇的に変わるような資格ではありませんが、私にとってはキャリコンの勉強をしたことはかなり有用であったと思っています。もっと勉強していきたいです!
この記事がこれから受験される方の参考になれば幸いです。
