歯列矯正は長い期間かかる治療ですし、費用も決して安くありません。また、大人の歯列矯正の場合は、自分で費用を賄いますし、自分で病院選びをしないといけません。私は20代前半で歯列矯正を始める決断をしましたが、なんとなくで決めたくない気持ちが非常に強かったです。

カウンセリング前の私は病院選びの明確な基準を持っていたわけではなく、なんならネット上の「抜歯はリスクが大きい」「非抜歯は口ゴボが治らない」といった様々な情報におぼれてかなり混乱していました。

そのため、えいやっの気持ちで、まずはカウンセリングを受けてから比較しようと考え、

・非抜歯&マウスピース専門の矯正歯科
・必要に応じて抜歯を行うワイヤー矯正メインの歯科

の2院で相談することにしました。

実際に歯科医師から話を聞くと、治療方針や説明・費用の違い、検査の丁寧さにもかなり違いがありました。それらを比較検討した結果、最終的には

・通いやすいか
・説明、費用に納得できるか
・検査や診察が丁寧そうか

・自分が求める仕上がりに近づけそうか
・長期間安心して通えそうか

といった点を重視して、2つ目の医院で治療を受ける決断をしました。

この記事では、実際に受けたカウンセリングの内容や費用、病院ごとの違い、決めてについて私の体験談を紹介していきます。これから歯列矯正を始めようとしている方の参考になれば幸いです。

ワイヤー?マウスピース?歯列矯正における病院の選び方とは?【抜歯はする?しない?】

1軒目:非抜歯・マウスピース治療専門の医院

初めてカウンセリングを受けたのは、非抜歯治療とマウスピース矯正を専門としている矯正歯科でした。

ネットの情報に溺れていた当時の私は、「できれば抜歯を避けたい」「という気持ちが強かったので、まずは非抜歯専門の治療を行う医師の話を聞いてみたいと思ったからです。

接客業ではなかったので、マウスピース矯正についてのこだわりはさほどありませんでした。

カウンセリングの内容

カウンセリングでは、医師と歯科衛生士さん、私の3人で話をしました。

最初に「口の中を見せてください」と言われて先生に診てもらったのですが、歯科治療の椅子ではなく、いわゆる応接室のテーブルをはさんだ状態で数秒見られるような形でした。

そしてその場で医師に「マウスピース矯正で治療可能な範囲です」とはっきり伝えられ、非常に驚きました。

というのも、私はかなり歯並びが悪いため,マウスピース矯正がそもそも難しいのでは、と思っていたからです。マウスピース治療の選択肢があることを知れた喜びと、「こんなざっくりな診察で正しく判断できるの?」というちょっとした不安が生じました。

ちなみに後から知ったことですが、この時にカウンセリングをしてくれた医師は認定医でも臨床指導医ではありませんでした。

提案された治療方針

その後、費用を含めて治療方針についての説明を受けました。まとめると、

・マウスピース矯正は可能だが、難易度はかなり高い
・治療期間は約3年は必要
・費用は約120万円

ということでした。

また、難易度が高い治療になるため、最初からマウスピースだけで治療するのではなく、最初はワイヤー装置を使って治療し、ある程度歯並びを整えてからマウスピースに移行するのがよいといわれました。

さらに、私の場合は顎に対して歯列が大きいため、非抜歯で治療するなrあスペースを作る必要があり、そのために1本1本の歯を少しずつ削る処置(ストリッピング)が必要になるとの説明もありました。

なお、非抜歯についてのメリットとして

・後戻りしにくい
・正しいかみ合わせを作ることができる

があることを医師の口から聞けたことはよかったです。

カウンセリングを受けて感じたこと

この医院では、レントゲンなどを含む精密検査・診断に進む場合は約5万円かかるとのことでした。

矯正治療を始めるにおいて、必要な費用だとはわかっていましたが、1軒目ですし,その場ですぐに受けると返答することはできませんでした。

また、非抜歯治療のメリットを聞けたことはよかった一方で、

・すべての歯を少しずつ削って大丈夫なのか?
・本当に口ゴボが改善するのか?

という点には不安が残りました(その場で聞けばよかったのですが…)。帰宅後、後から改めて調べてみると「非抜歯で歯並びはきれいになったが、口元の出っ張りはあまり変わらなかった」という体験談をいくつか見かけたため、「自分の求める仕上がりにはならないかも」という点が気になってきました。

さらに、無料カウンセリングとはいえ、短時間のテーブル越しの口腔内のチェックで治療方針が決まったことにも少し不安を感じました。5万円払ってやっぱり無理、ってなる可能性もあるのか……と思ったり。

そこで、ほかの医院ではどのような説明になるのだろうか、ともう1軒カウンセリングを受けてみることにしました。

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2軒目:必要に応じて抜歯を行う矯正専門医院

2軒目としてカウンセリングを受けたのは、必要に応じて抜歯を行い、強制方法も症例にあわせてワイヤーとマウスピースを提案するタイプの矯正専門歯科でした。

1軒目とはことなり、「非抜歯専門」でも「マウスピース専門」でもなく、

・必要がなければ抜歯をしない
・必要なら抜歯をする
・症例にあわせてワイヤーとマウスピースを選択する

という比較的オーソドックスな方針です。

また、この医院では知人が矯正治療を受けており、知人から悪い話をきかなかったこともカウンセリングを受けてみようと思った理由の1つでした。

カウンセリングの内容

この病院では,

1回目:カウンセリング
2回目:精密検査
3回目:診断結果結果と治療方針の説明

という流れで進んでいきました。この1回目~3回目の受診トータルで私の負担額はなんと1,000円。1軒目では5万円だったので拍子抜けです。

初回のカウンセリング前に、アンケートに答えました。

・抜歯はしたいか,極力したくないか
・何を優先したいか(健康面,審美眼,かみ合わせなど)
・歯磨きの習慣について

といったものだっと思います。その後、歯科用チェアに座って、口腔内を丁寧に確認してもらいました。1軒目のカウンセリングとは雰囲気がかなり違い、「細かく見てくれている」という印象を受けました。

印象に残った説明

カウンセリングでは、

・医院の治療方針
・医師の経歴(認定医であることも通知された)
・矯正治療の歴史
・医院での実際の症例の紹介
・ワイヤー矯正について

といったことについて、かなり詳しく説明を受け、1000円でこんなに対応してもらっていいの!?とずっと感じていました。マウスピースも選べる病院ではありましたが、ワイヤー治療を主としているからか、私の歯を見た後だからか、ワイヤーについてのみの説明を受けました。

そのうえで、私が1軒目のカウンセリング後から気になっていた

①抜歯矯正のリスク
②マウスピース矯正は可能か

について質問しました。

抜歯・非抜歯についての説明

特に印象に残っているのが、「非抜歯専門の医院なら、抜歯のリスクは伝えるのは当然です。一方で、非抜歯治療のリスクについては聞きましたか?」と医師から聞かれたことです。

1軒目の言葉を重く受け止め、「抜歯=危険」「非抜歯=安全」と思い込み層になっていたのですが、この言葉にハッとしました。詳しく聞くと、

・非抜歯では無理に歯を収めるため,歯槽骨から歯が外れてしまうリスクがある
・口元の突出は抜歯しないと改善しにくい
・ワイヤー治療での後戻りは、保定装置をきちんとつけることでかなり防げるようになっている
・抜歯治療に比べて非抜歯は症例が少なく、判明していないリスクがあるかも

とのことでした。私の場合は口元の突出がかなり強いタイプで、医師からは「抜歯しないとほとんど変わらないでしょうね」とも言われました。

マウスピース矯正についての説明

こちらの質問については、「少なくともうちで治療するなら、ワイヤー矯正一択ですね」とはっきり述べられました。

「軽く口内を見た感じ、マウスピースだとかなり難しい症例になると思う。本当に1軒目で対応可って言われたんですか……?」と言われて、本当に医院によって治療方針が大きく異なるんだ、と感じました。そして本当に初診料の1,000円だけ払って帰りました。

精密検査の内容

2回目の受診では、矯正治療に向けた精密検査を受けました(お金がかからなかったため……)。

口元のレントゲン

まず行ったのは、口元や顎の状態を確認するためのレントゲン撮影です。専用の機械の中央に立ち、機械が顔の周りを回転して様々な角度から撮影されていきます。痛みも不快感もありませんでした。

写真撮影

次に、顔や口元の写真撮影を行いました。1mほど離れたところから、

・口元を閉じている写真
・笑った時の写真
・横顔

など、様々な写真を撮りました。治療のためとはいえ,あまり撮られ慣れていないので少し緊張しました……

歯型の採取

次に歯の型を取りました。正直矯正治療そのもの含めて、一番苦手だったのはこの作業ですね……

歯科用の椅子に座り、口の中に粘土のような素材が入れられ、固まるまで数分待ちます。痛みはないのですが、

・独特のにおい
・独特の感触
・口を開け続けるしんどさ
・のどの奥にたまる唾液

がとにかくきつかったです。

噛み方・活舌の確認

さらに、噛み方や話し方の検査も行われました。

グミを一定回数噛んでいる様子の動画を撮影されたり、決められた文章を衛生士さんの前で読み上げたりしました。

恥ずかしかったですが、口の機能までしっかり確認してもらえているんだ、という安心感がわいてきました。

この日は支払いなしで、この検査を終えた時点で帰宅しました。

診断結果と提案された治療方針

3回目の受診では、精密検査の結果の説明を受けました。

その内容としては、検査時に撮影した写真やレントゲン、診断内容が記されており、その資料を基に、歯並びの問題点や治療方針について説明を受けていきました。

指摘された私の歯並びの問題

私の場合、主に次の点について歯並びの問題点を指摘されました。

・口唇前突感(いわゆる口ゴボ)
・上顎前歯傾斜
・上下の歯のがたつき(叢生)
・自然に口が閉じにくい
・異常嚥下(飲み込み方のクセ)

さらに、「日本人平均に比べて歯のサイズが大きい」「歯列の長さが比較的長い」といった特徴があり、総合的に歯が並ぶスペースが不足している状態である、とのことでした。

20年以上、歯並びが悪いという自覚はありましたが、その理由が明らかになっていき、嚥下にも影響が出ていることを知りました。

提案された治療計画

これらのことを踏まえ、医師が立てた治療計画としてはワイヤー矯正をベースにした抜歯矯正でした。

治療の流れとしては、

①上顎に装置装着
②下顎装置装着
③抜歯(右上4,左下5,左上4,右下5)
④仕上げ

さらに、タイミングを見ながら、

・アンカースクリュー(左右上,他)
・必要に応じてストリッピング(歯をけずる)
・顎間ゴム(いわゆる青ゴムなど)
・必要に応じて親知らずの抜歯
・MFT(口腔筋機能訓練)

も行う可能性があるとの説明を受けました。

この時は何がなんやらわかりませんでしたが、こんなに具体的な治療計画を立ててもらえるんだ、とかなり安心感がありました。

費用について

費用は、

・基本料70万円
・毎回の調節料2000円程度
・保定装置代(6~7万円)

ざっと見積もってこれくらい、とのことでした。これまでに受けたレントゲンなどの検査費用も基本料金の中に含まれていると聞き、謎が解けました。

また、裏側矯正も選択可能でしたが、見た目にこだわりはあまりなく、その分費用を抑えられるならそのほうがよいと判断し、表側のワイヤー矯正にしました。

この時点で感じていたこと

お察しかと思いますが、このころにはかなり2軒目に気持ちが傾いていました。もちろん、抜歯への不安が完全になくなったわけではありません。

ただ、

・検査が丁寧だったこと
・抜歯、非抜歯のデメリット、メリットに納得したこと
・治療方針に納得感があったこと

などから、この医院なら安心して任せられそうだな、と思えていたのが気持ちが傾いた理由だ思います。

最終的に2軒目の医院を選んだ理由

最終的に私は、2軒目の医院で矯正治療を受ける決断をしました。

やっぱり「できれば健康な歯を抜きたくない」という気持ちは拭えませんでしたが、それでも選んだ一番大きな理由は、「自分が求めている仕上がりに、より近づけそうだと感じたから」です。

私の場合は歯並びを整えたい気持ちに加え、口元の突出感も改善したい気持ちが強くありました。その中で、抜歯、非抜歯治療のメリットデメリットを比較検討した結果、抜歯のデメリットを上回って口元の見た目の改善に魅力を感じました。

また、繰り返しになりますが、

・検査が丁寧だったこと
・診断内容に納得感があったこと
・質問にしっかり答えてもらえたこと
・長期間安心して通えそうだと感じたこと

なども決め手になりました(2軒目も5万円払って診察を受けていたら違う結論になっていたかもという説もあります)。

歯列矯正の病院決めの決め手とは

今振り返ると、矯正治療の病院選びで一番大事なのは、「自分が何を重視したいのかを整理すること」だったように感じています。

・できるだけ歯を抜きたくないのか
・見た目の変化を重視するのか
・費用を優先するのか
・装置の目立ちにくさを優先するのか

重視するポイントによって、合う医院や治療方針が大きく変わります。また、実際に複数のカウンセリングに行くことで、医師ごとの考え方のg違いもかなり感じました。

だからこそ、可能であれば複数の医院で話を聞き、比較検討することが大切だと思います。

矯正治療は長期間かつ、大金のかかる大きな決断です。この記事が少しでも病院選びの参考になれば幸いです。

※あくまで個人の体験談・乾燥であり、医学的見解ではありません。治療方針については必ず担当医と相談してください。