TOEICは勉強の範囲が広く,なかなか勉強し始めるまでの腰が重いですよね。
その結果,必要に迫られた時にバタバタと焦る羽目になった経験ありませんか?もしかして現在進行形で高得点が必要な人もいるかもしれません。
今回は2ヶ月以内にスコアを上げなければならない状況に陥った私が、2ヶ月で300点近くあげることに成功した経験について話します。使用した教材や勉強方法についても話すので切羽詰まっている方は少し目を通してみてください。
TOEICの点数を上げなけらばならない理由
私がTOEICを受けなければならなくなった理由は,大学4年生の夏に控えた大学院入試でした。
私の大学院入試の出願条件には「TOEICスコア500点」が含まれていたんです。使えるスコアは、院試のある8月の2年以内のもの。
直近3年受けていない私に使えるスコアはありません。とりあえず受ければ500点くらいは取れるでしょ,と軽い気持ちでTOEICにのぞんだのは大学3年の11月でした。
帰ってきたスコアは「480」。このままでは院試が受けれないなぁ,と笑いながらも、「まぁ必要なのは半年後だからなぁ…」と愚かな私はここから3ヶ月ほどTOEICを受けることをしませんでした。
みなさんご存じかもしれませんが,TOEICは公開テストだとスコアが帰ってくるのはおよそ1ヶ月かかります。大学院の願書提出は6月で,少なくとも5月までに500点を取らなければならかったんです。
私がその事実に気づいたのは大学4年生の3月で,気づいたころには3月のTOEICの出願期間は終わっていました。4月と5月の2ヶ月でスコア500をとらなければならなくなりました。
最も多くTOEICを受ける方法
TOEICには大きく分けて、
・公開テスト
・IPテスト
の二種類があります。
公開テストは通常のTOEICで、自分で申し込み、5,600円ほど払って受ける試験です。
IPテストは大学などが団体受験を申し込んでいて、その大学の学生はちょっと割引された金額で受けることのできるテストです。IPテストは公開テストで使用された問題が使用されるなど、少し難易度が公式のTOEICより低いということもあって、場合によっては「IPテストのスコアは使用禁止」なんてこともあります。
私の大学院入学の条件をクリアするためにはIPでも公開テストでも構いませんでした。
どちらも月に1回しか行われていないですが,日にちが重なっていなければ両方受けることが可能です。私は実際に,4月と5月にIPテスト、公開テストをそれぞれ一回ずつ申し込みました。
IPテストと公式のテストを両方受ければ,TOEICは月に2回受験可能!
2か月間の勉強の成果
死に物狂いで勉強した結果、それぞれの結果は次のようになりました。
4月IPテスト550
4月公開テスト620
5月IPテスト735
5月公開テスト780
結果としては、早々に足切りラインは超えたので4回受ける必要はなかったのですが、1回目のテストが返って来る前に5月の申し込み期限が来たので申し込まざるを得なかったんですよね。
次の項では,2か月で300点近くあげることになった私の勉強法についてお話しします。
TOEICスコアを300点上げるのに使用したテキスト
1.TOEICテスト究極の模試600問
「TOEIC おすすめ参考書」で検索をかけるとだいたい表示される究極の模試。
正直、これ一冊で点数が300点位上がったと言っても過言ではありません。
この一冊には、
・TOEIC本番よりやや簡単
・TOEIC本番レベル
・TOEIC本番よりやや難しい
これら3回分の模試が収録されています。
この本の最大のおすすめポイントは解説が充実している点です。我々英語素人が疑問に感じてしまう点を解消していってくれます。
また、英語に対する解説だけでなく、「TOEICのテクニック」についても随所に書かれているので、隅から隅まで目を通しているうちに、英語の知識もテクニックも身についているという代物。
TOEICは単純に文法やリスニング力を身につければいい点が取れる訳ではありません。時間配分も大きな勝負の分かれ目です。やっぱり本番形式で練習するのが一番大事。
基礎レベルから勉強したい人にも、難しいレベルに挑戦したい人にもオススメの一冊です。
私は「本番よりやや簡単なレベル」と「本番と同じレベル」をそれぞれ3回ずつくらい取り組みました。
・解説が充実している
・受験のコツも記されているので初心者でも安心
・700点目標なら「本番より難しいレベル」は無視してもOK
・判型が大きく重いので,持ち運びが大変
2.TOEIC L&R 究極のゼミ Part3&4
私はリスニングパート、特にPart3やPart4の長文を聞いて3問の問いに答える形式が苦手でした。
ですから、そこだけ重点的にこの一冊を使って練習をしました。先ほどの究極の模試と同じ著者である、前田ヒロ先生のテキストです。
究極の模試と同様に,解説やコツがとにかく丁寧です。特にリスニングにおいては,問題文の聞き方,選択肢の処理方法,時間の使い方など,受験の際のテクニックが重要ですが,この1冊で,ほとんど仕上げられると思います。
後述しますが、この1冊を繰り返しただけでリスニングは9割ほど取れるようになりました。
Part1と2は、究極の模試を解いた時に大きな失点がなかったので、特にテキストは買っていません。
判型は小さいですが,分厚いので,電車やバスで「ちょっと確認~♪」みたいなことは難しいと思います。
・苦手なリスニングのパートが判明している人にオススメ
・判型は小さいけど,分厚い
・テクニックも充実
3.TOEIC L&Rテスト究極のゼミPart5&6
文法に関してはさすがに3回分の模試だけでは全範囲を網羅するのは難しいかなぁと思い、これを購入しました。前述の書籍と同じシリーズです。
実は,長文を大量に読むPart7もさほど得意ではなかったのですが、究極の模試に載っていたテクニックで十分に点が取れるようになっていたので、Part5とPart6を集中的にトレーニングしました。
内容はそんなにハイレベルなものではありません。大学入試などで,ある程度高校レベルの英語を勉強した人ならサラッと終わると思います。私は解きはしましたが、「Part3&4」ほど苦手ではなかったからか,そんなに「この本のおかげで伸びた!」感はありませんでしたね。
ただ,文法の復習をしておきたい人、文法に自信がない人にはオススメです。
ここまでで紹介した書籍の特徴をまとめまると,次のようになります。
買ったけど全く使わなかったテキスト
さて、買ってよかった!と思ったテキストもある一方、全然使わなかった…というテキストもいくらかあります。もちろん,人によって合う,合わないはありますので,ご留意ください。
1.公式テキスト
誰もが一度は買おうか悩む公式テキスト,私も買いました。TOEICが販売している、過去問集です。
結局まともに使いませんでした。究極の模試で事足りてしまったからです。むしろ,究極の模試の方が解説が充実していて、かつ楽しく取り組めたのでこちらは早々に本棚に眠ってしまいました。
ただ、IPテストを受験される方はこちらを使うのもアリです。というのも先ほど述べたように、IPテストは公開テストの過去問が出ることがあります。
ですから、公式問題集で過去問をさらっていればIPテストで「こっこれ、見たことあるぞ…!」ってなる可能性はあります。それで高得点をとれるとは思えませんが…
2.TOEIC L&R TEST 英単語スピードマスター
何がスピードマスターなのか…全然スピード出ませんでした。いわゆる単語帳ですが,とにかく分厚いです。
情報量は多く、これ一冊を仕上げればTOEIC単語は完璧なんだろうなぁ……と思いますが、3日で挫折しました。20ページほどしか読んでません。
高校みたいに単語テストがあればやるかもしれませんが、強制力がないとできないタイプの人間には難しすぎます。
関連語などもまとめてあって,つくりとしては良いものに見えるんですが,英語がそんなに好きではない方にはつまらないと感じてしまうと思います。単語帳なのに分厚い,というのもネガティブな気持ちになる要因です。
特急とかの方が薄くてモチベが続きそうだな、って思っています。買ったことはないですが…。
じゃあ英単語はどうやって勉強したの?って思いますよね。結論から言うと,単語帳は使用していません。
究極シリーズでわからなかった単語だけ、手帳にひたすらメモしていました。
これだけした英単語には触れなかったですが、本番意味のわからなかった単語はほとんどなかったので、単語帳続けられない方にはお勧めの勉強法です。
900点目指すならこの勉強法で不十分だと思いますが,700点くらいならこのレベルの取り組み方で十分そうです。
勉強の進め方
とりあえず3月に勉強を始めて、最初のテストが4月だったので,この期間が一番勉強した期間です。その1ヶ月に何をやっていたか重点的に説明していきます。
1週間目:究極の模試1回目を完璧に
究極の模試の「本番より少し優しめ」模試を最初に解きました。そして、以下のことを行いました。
・間違えた問題をピックアップ
・わからなかった単語をピックアップ
・解説を熟読
この時の私はTOEICの解き方のコツがまるでわかっていなかったので、時間が足りない!というのが一番の感想でした。それはどうしようもないので、時間に関してはとりあえず諦め、全部解いて間違えた問題をとにかく理解していきます。
先ほど述べたように、単語帳は3日で飽きたので、この時にわからなかった単語を手帳に書き出し、1週間毎日見続けました。
そして、1回目の模試に関しては完璧だ!と思った最初の週末、本来の時間通りにもう一度同じ模試を解きました。結果はほぼ満点でした。
2週間目:2回目の模試と、究極のゼミをやりこむ
本番レベルの模試を解きました。1つ目の模試が完璧になっても本番レベルはまた大したことのない点が出ます。ただ,この時点である程度英語に親しみを感じ始めていたので、勉強のペースを上げることができてきました。
1週間目と同じように、解いた模試を徹底的に直しつつ単語を覚えていったのですが、余裕が出てきたので究極のゼミを同時並行で進めるようになりました。
一日のノルマをページで決めると途中で投げ出しちゃう性格なので、
・究極のゼミ(文法) 1時間
・究極のゼミ(リスニング)1時間
・模試直し 余った時間
と決めて取り組んでいましたね。
そしてまた週末に同じ模試を解き直しました。結果は今回もほぼ満点でした。
3週間目:究極のゼミをやりこむ
究極の模試3回目(本番より難し目)の模試は、「点数悪かったらやる気なくすな」と思い、解かないことを決意しました。実際,700点程度を目標とするならば,難易度が高いと思います。
究極のゼミに充てる時間を増やし、ひたすらやりこみました。
4週間目:究極の模試を振り返りつつ、究極のゼミ
いよいよ本番が近づいてきたので、時間配分を確認するべくもう一度1回目と2回目の模試を解き直しました。
個人的には模試を解くときはぶっ続けで2時間きちんと測ることをオススメします。本番通りの時間配分をつかむのに重要です。
この時点で500点は堅いな、という仕上がりでしたが、なんか勉強スイッチが入っていたので究極のゼミの2周目を始めましたね。
番外編・毎日続けていたこと
さて、1ヶ月間の流れを振り返りましたが、毎日やっていたことについても説明しておきす。
通学時間はリスニングに充てる
私は40分ほど自転車を漕いで学校に通っていたので、その往復の80分はリスニングに充てました。
究極の模試と究極のゼミのCDをiPhoneに入れて、聞きまくりました。余裕が出てきた3週間目くらいからは聞くだけでなく、オーバーラッピングを始めました。
オーバーラッピングというのは,「聞こえた音声を追いかけながら自分で喋る」というものです。
これくらいしていたら、本番では9割くらいリスニングで取れるようになりましたね。やっぱりリスニングは聞くだけじゃなく、自分で喋ることが大事です。
手帳にメモした英単語を眺める
究極の模試や究極のゼミからピックアップしていた単語や熟語を書きなぐった、いわばマイ単語帳である手帳を暇な時間に眺め続けました。
覚えようと思っていなくても、毎日見ていたら覚えるもんです。
・朝起きたとき
・寝る前
・授業中眠くなってしまったとき
・実験に飽きたとき
とにかく隙間時間を見つけては,手帳を眺めていました。
2か月で300点スコアを上げた方法
私が2か月でTOEICを300点あげた方法について解説してきました。
勉強方法は人それぞれ合う合わないがあるので、「これをやれば大丈夫!」とは言い切れませんが,急ぎ手でスコアをあげたい人には試していただきたいテキストや勉強法ばかりです。

