今回の記事ですが、TwitterのフォロワーさんからもたくさんDMが届いていたことについて、お答えしようと思います。(DMをいただいた方には返信をしていますが、他にも気になる方がいらっしゃるかと思いまして)
内容は、「採用面接において『どうして大学院を辞めるのか』と聞かれた時、なんと答えていましたか?」というものです。
おそらく大学院を辞めて既卒就活しようとする方であれば一度は直面する問題かと思います。私の経験談と、方針をまとめていきますので、一つの参考にしてください。
↓筆者の中退に関する流れはこちらから。
私が実際に使った答え方3選
まずは,私が就活において使ってきた返答の仕方を説明していきます。
パターン1:「より社会に貢献していきたくなった」
大学院での研究と、企業で働くことの違いから攻めて行きます。
大学院の研究は一部を除き、いわゆる「基礎研究」であることが多いですよね。
企業と共同研究を行っている場合は商品開発に直結する場合も無くはないですが、自分の研究が実生活に役立つ場面を目にすることはなかなかありません。
かくいう私も、抗がん剤の研究をしていましたが、実用化までにはあと何十年かかることやら……といった感じでした。つまり、一般社会からはちょっと距離があるんです。
ですから、「研究をしていく中で、より社会に近いところで、社会と関わりながら、人々に貢献していきたいと思うようになった」という風に答えることがありました。
パターン1の注意点
・「より社会に近い」
”より”がなければ、「まるで大学の研究は意味がないみたいじゃないか……」と取られてしまいますので、絶対に落とさないようにしましょう。
・研究職志望の方には不向き
お気づきかと思いますが、研究職や開発職を志望される方は使わないほうが無難です。「うちの研究も、製品として世間に出るまでうん10年かかるけど?社会と対して関わりないよ?」と言われてお陀仏です。
営業職や、マーケティングといった職種を志望される方は比較的便利な言葉ではないでしょうか。モロに社会と関わっていきますからね。
パターン2:「研究しているうちに、自分が本当にしたいことがわかった」
まぁ私の場合はゴリゴリの理系学部で、毎日細胞と向き合うような日々でした。将来もなんとなく、こんな感じで仕事をするんだろうなぁと思っていましたね。
まぁ実際は、「この作業は私は仕事にできない!」と気づいたわけですが。
ということで言い訳の一つに使ったのが、「本当にしたいことではないと気づいた。少しでも早く、自分がしたいことを実現するため、今大学院を辞める決断をした。」という文章です。
文章だけ見ると、なんだか子供っぽい印象を受けますが、それなりにウケがよかった気がします。専門性が高い学部、学問を専攻している方ほど有効な文章ですね。
パターン2の注意点
・就職先が複数ある学部出身者は使いにくい
私の出身学部は、就職先が割と絞られている学部でした。ですので、全く専門と関係ないことをしたくなる、というのもあり得ない話ではなかったんです。
ただ、理学部・工学部あたりだと、転学科や、転研究室などによって就職先の職種・業種を変えることが可能だと聞いております。(もちろんこれも簡単な道ではないですが。)
ですので、「いや夢が変わった時点で方向転換しろよ」と言われてしまう可能性もゼロではありません……。
まぁ、今となっては,「M1になって気づきました☆」とごり押すくらいのメンタルが既卒就活には必要だとも思うんですけどね。
パターン3:「この業界は”今年”変革を遂げる。この時期を経験できるのは今だけ」
個人的には、パターン1〜3で一番効果的な文章だと思っています。
パターン1、2も無難な解答ではあります。が、あくまでも”無難”な解答。自分の都合を会社に押し付けているように取られなくもないですし。
一方で、このパターン3には以下のようなメリットがあります。
・入社すぐの経験を使って長く働きたいという姿勢が見える
・業界研究、企業研究がしっかり行えていることを伝えられる
長く続けていきたい姿勢、業界研究を深くしていることを伝えつつ、大学院を辞める言い訳もできる、私の中では最強の文章でした。
もちろん、特に大きな変化がない業界もありますので、そのような場合はなかなか使えないのですが…。
個人的にはどんな些細なことでもいいと思っています。
・営業成績がものすごく上がっている(落ちている)
・国の取り決めによって、ルールが変わった
・一大主力商品ができて、会社の主軸が動きつつある
などです。もちろんこれらはしっかり企業研究・業界研究をしなければ見つかりません。研究をしていく上で、「これはいいネタだ!」と思うものがあれば使ってみてください。
大学院中退理由を述べるときの注意点
パターン1〜3の組み合わせは自由
さて、これまで私が使ってきたパターンを3つ紹介してきました。ここで伝えておきたいのは、”どれか一つに絞る必要はない”ということです。
述べる理由や具体例を出すために今回は分けて紹介しましたが、実際には「どうして辞めるの?」という質問に対して「◯◯です」と答えたところで会話は終わりません。
面接官「どうして辞めるの?」
あなた「より社会に関わりたいと思ったからです。(パターン1)」
面接官「でもそれは院卒業してからでも可能なんじゃないの?」
あなた「今年、御社では◯◯のような変化があると伺いました。その体験は来年度入社しなければ体験できない経験です。そのため、大学院を辞めて、就活しようと思いました。(パターン3)」
このような感じで好きに組み合わせて使っていただけたらと思います。
とにかくネガティブな印象を与えない
私が一番心がけていたのは「ネガティブそうだな……」と相手に思わせないように答えることでした。
ただでさえ、面接官は「大学院辞めるなんて、よっぽど病んだのかな」,「もしかしてただの根性なしか?」とマイナスのイメージを持っています(残念ながら大学院中退にプラスのイメージを持つ人は流石にいません)。
ですから、このピンチをいかに回避するか、ピンチをチャンスにするか、が鍵になります。
「大学(院)選びは自分の甘さから人の意見に流されて失敗してしまったが、今回はしっかり自分で考えて決めたことなので、後悔することはないはずです」
など、ネガティブなイメージをいったん受け止めつつ、今回はそうではない、という風に繋げるのも一つの手です。これはこれで「人の意見を真っ向から否定しない素直な子だ」というプラスポイントになることもありますよ。
※ただし、病気や障がいをお持ちの方であれば無理に隠す必要はありません。オープン(病気であることを企業に伝える)での就活はなかなかキツイかと思いますが就職後が安心ですし、クローズ(病気を隠しての就活)であれば就職後にやや不安はありますが窓口は広いです。ご自分の体調に合わせて選んでいきましょう。体が第一です。
大学院中退理由を述べる時のコツ・まとめ
さて、今回の記事の内容は,私自身、就活の際に頭を悩ませたことなので気合いが入ってました。
「大学院中退は、私にとって前向きな選択である」ということを伝えきることが一番のポイントだと思っています。
「逃げる」わけでも「投げ出す」わけでもない。この選択には意味があるから、大学院を辞めるんです、と伝えてきましょう。
色んなパターンを書いてきましたが、別にこれが全員にとっての正解ではありません。自分の体験談、専門、将来の夢を使って色んな回答パターンを作ってみてください。
できれば,今後のために文章力や,自己分析をする力を磨くため,自力で中退理由を仕上げることをお勧めしますが,どうしても,自力での作文が難しい,自分の中退理由をうまくまとめられない,という方はエージェントの力を借りるのも一つの手です。
お勧めは【ウズキャリ既卒】ですが,以下の記事でさらに詳しく紹介しておりますので,よければご覧ください。
皆様の就活がうまく進むことを、心より願っております。