私が大学院時代に患った,過敏性腸症候群は程度こそ弱まれど,今でも完治はしていません。
長いこと病気を患っているので,付き合い方もわかってきてはいるのだけれど,過敏性腸症候群の陰に別の病気が隠れているのではないか,ぼんやりと不安を持ち続けていました。
25歳を過ぎたころから,カメラを受けたいなぁとは思っていたものの,なんとなく噂に聞く下剤や,食事制限などが怖くて,一歩踏み出すことができずにいました。
が,2年かけて勇気を貯め続け,とうとう胃カメラと大腸カメラを一緒に受けてきました!
20代女性の胃カメラ・大腸カメラの経験談はあまり見てこなかったので,自分の備忘録兼,同じような悩みを抱えている方の参考になればと思い,レポをしていきます。
検査の予約の仕方
私が検査を受けようと思ったきっかけは,過敏性腸症候群でかかりつけの病院の医師から,「1度は受けてみてもいいかもね」と言われたことでした。
ですので,検査の予約は簡単で,かかりつけの病院に行き,
といえばすぐに話が通じました。
多くの病院が,胃カメラや大腸カメラを希望するには,事前説明と予約のために1度来院し,後日に検査を実施する,という形をとっていると思いますので,ご注意くださいね。
事前説明
予約をするために来院した日に,検査に関する説明や,同意書へのサインなどを行いました。
検査に関する説明
胃カメラより大腸カメラの方が検査前の準備が大変です。逆に言えば,大腸カメラ用の準備をしておけば,胃カメラの準備は兼ねられる,ということで大腸カメラの検査のための検査前の準備の指導を受けました。
・飲食に制限がかかる時間
・飲食の内容面の制限
・下剤の服用方法
・下剤服用後の過ごし方
全部合わせて15分もかからなかったと思います。
このときに,前日に食べて良いものについて説明を受けたのですが,なかなか自分で作るのが難しそうだな…と感じたので,看護師さんにお勧めしていただいた,検査職を購入することにしました(病院で購入できました)。こちらです。
前日の食事については,また後述します。
同意書へのサイン
看護師さんから説明を受けたのち,医師から検査の同意書について説明を受け,サインします。
私は鎮静剤(軽い麻酔のようなもの)の使用を希望していたので,薬のアレルギーなどについても説明を受けました。
私は知らなかったのですが,鎮静剤を使用する場合,検査中に意識がもうろうとして勝手に体を動かしてしまいかえって危険になるため,経鼻の胃カメラはできないそうです。ですので,私は口からの胃カメラと,大腸カメラを行うことになりました。
この日はこれでおしまいです。検査食(1000円程度)と,診察代で2,130円の支払いでした。
検査前日の過ごし方
検査前日の食事について
朝食,昼食,夕食はすべて前日購入した検査食を食べました。
…が,あまりにも!あまりにも消化が良すぎるためか,すぐにおなかがすいてしまいました。
空腹が辛すぎたので,検査食を食べることに(食欲に忠実すぎ)。看護師さんから,消化がよいもの,悪いものについてはざっくり話を聞いていましたが,いろんな病院がネットで公開しているお勧めの食事も調べて,それらの中から食べたいものを買ってきました。
私が空腹時に食べたものはこちら。
・ロールパン(バターロールやレーズン入りは×)
・卵サンド
・卵豆腐
ちなみに,病院から避けるように言われていたものはこれらです。
・海藻類
・キノコ類
・繊維の多い野菜
・種のある野菜,果物
・ごま,ナッツ,こんにゃく
・牛乳
・果実入り飲料水
・酒
これらがなぜダメかというと,消化が翌日の検査までに間に合わず,繊維や種が腸に残ってしまい,その陰になる部分の病変に気づけなくなるからだそうです。あまりに多いと検査ができないこともあるとか。
夕食を20時に取ってからは,食べ物を食べることは禁止でした。お茶を飲んで過ごしました。看護師さん曰く,できるだけ色がついていない飲み物が望ましいそうです。
薬の服用について
昼食,夕食のタイミングで,3種類の下剤を服用しました。使用する薬や服用のタイミングは病院に寄りけりだと思いますので,それは指示に従うようにしてください。
私が使用したお薬の飲みやすさについて,簡単にレポ。
・ピコスルファート
目薬の容器みたいなものに入った液体を,お水で薄めて飲むタイプのお薬。ほんのり消毒薬のようなにおいを感じましたが,水に対して薬の量が少ないので,割と苦を感じずに飲めました。夕食と昼食時に服用。
・ジメチコン
白くてどろどろとした液体(というか沈殿?)を,水に薄めて飲みます。こちらは薬の濃度が高いせいか,薬っぽいにおいが強く,ピコスルファートより飲みにくかったです。無理やり流し込みました。
・センノシド
これは錠剤だったので,特に苦労はなかったです。
検査当日の過ごし方
朝から絶食ですので,朝ごはんは無し。代わりに午前中に腸の中を空っぽにするための,下剤を摂取していきます。
検査時間にあわせた時間から,2Lのマグコロールの服用を開始します。1時間以内に飲み切ることを目標に,5~10分おきに200ml程度飲んでいくようにしました。
飲み切る前から,トイレに行きたくなるようになっていたので,トイレに行って,戻っては飲んで…という繰り返しです。
ここが一番きついといろんな人の話を聞いていましたが,私は前日の空腹に比べればマシでした…(食い意地)。
とはいえ,どうしても何度もおしりを拭くことになってしまうので,少し炎症は起こしてしまいましたね。
看護師さんから,便がこのような状態になったらOKです,と言われた写真と比較して,条件を満たせば一安心。
ただ病院に行くまでの間にトイレに行きたくなったら困るので,全部出し切るために,体を動かして腸に刺激を与えるようにしていました。
いざ!病院での検査へ!
病院についたら,まず検査着に着替えます。おしりの部分に切れ目が入ったズボンでした。
着替えたら検査台の上に上がり,点滴がはじまりました。鎮静剤と,腸の動きを止めるお薬の2種類だったと思います。意識がぼんやりとしている自覚はなかったのですが,あとからぼんやりしていたんだということが分かりました…
まずは胃カメラ
口にろうとのようなものを入れられた後,のどに麻酔を塗られて,時間を置きます。普段だったらおえっ,となってしまいそうな状況でしたが,鎮静剤のおかげで反射も起こさずに済みました。
麻酔が効いたら,カメラが入ります。鎮静剤が効いていたので,記憶があいまいなのですが,のどに達した時に「飲み込んでください~」と声をかけられたような気がします。
それからは,先生がカメラを動かしている感覚もないまま,体感3分くらいで終わりました。
続いて大腸カメラ
胃カメラが終わった後,自分で体を起こして体勢を変えます。横に寝て,おしりを突き出すような格好です。
ここらが鎮静剤の効きがピークであまり覚えていないのですが,肛門にすべりをよくする?クリームのようなものを塗られた後,カメラを挿入。
胃カメラと違って,大腸カメラは腸が曲がりくねっているせいか,少し下腹部に鈍痛を感じながらの検査でした。女性にしかわかりませんが,軽い生理痛のような感じです。
体勢的に,カメラの映像が映るモニターを見ることができ,ちょっと感動しました。このとき,看護師さんに「すごいですね~」と話しかけた記憶があるのですが,今振り返ると鎮静剤のおかげで全然呂律が回ってなかったような気がします…恥ずかしい…。
こちらも体感5分くらいの検査でした。
検査後の過ごし方
カメラが抜かれた後は,自分で歩いて待機用の部屋へ移動。鎮静剤が切れるまで,30分程度ソファでのんびりして過ごしました。
薬が切れたころ,医師から検査結果についての説明を受け,お会計をしたら終了です。
検査費は,すべて合わせて8,720円でした。
ある程度薬が切れているとはいえ,鎮静剤を使っているので,帰宅方法や,帰宅後の過ごし方にも注意する必要があります。注意点はこちら。
・自転車,自動車に乗らない
・包丁を持った作業をしない
私は幸いにも,歩いて行ける範囲に病院がありましたが,そうでない方は公共交通機関か,別の運転者を連れてくるようにしておきましょう。
また,その日の夜ご飯は,包丁を使わなくて済むよう,作り置きか外食をするようにするのが無難ですね。
検査結果と感想
今回,私の胃腸には特に異常は見られず,胃のピロリ菌もいないだろう,ということでした。一安心です。
先生からは,「20代の間はもうカメラを受けなくて大丈夫だと思いますよ」と言われたので,体調に変化がなければ,2年くらいは受けずに過ごそうかなぁと思っています。
…といっている間に,体の別の部位に異常が見つかってしまいました。そちらについてはまた別の記事で紹介したいと思います。
過敏性腸症候群を患ってから,頻繁に「大腸がんなのではないか」と不安に感じていたので,それが解消されてとても気持ちよかったです。病気が根本的に治ったわけではないですが,ずっと心にあったしこりが取れた気分。
前日の食事制限や,下剤など,ちょっと大変ではありますが,2日で不安がしっかり解消されるのであれば,受ける価値はあるなぁと思いました。
大腸カメラ,胃カメラを受けてみたいなぁ,でも怖いなぁ…と感じられている方の背中を押す記事になっていたら幸いです。